第4章 レモンキャンディー
ギャリーと出会ってから、ここから出る冒険は百八十度変わった。物が道を塞いでいる時はギャリーがどかしてくれたし、何より話し相手ができた事が嬉しかった。
「さぁ、次の部屋よ。頑張りましょう!」
ギャリーと話しながら次に進んだ場所は、様々な色の服を着た女の絵がたくさんある部屋だった。正直な所、このような絵にはトラウマがあるので出来ることなら入りたくなかったが、それはギャリーも同じようで。
「うぅ……。あんまり入りたくないけど、入らないと始まらないし……手でも繋いで行きましょうか?」
ギャリーが左手を差し出しながら言った。
「うん!」
私はかなり怖かったので、本当にありがたかった。
「うーん……。めぼしい物は無いわねぇ……。そっちはどう?」
女の絵がたくさんある部屋を二人で探索していると、鍵が開いているドアを見つけた。
「ギャリー、ここのドア開いているよ!」
「あら、本当ね! 危険かも知れないから、気を引き締めて行きましょ。アタシから入るわね」
そう言ってギャリーはドアを開けた。特に襲ってくる物が無いので、ひとまずは安全のようだ。
その部屋にあったのは、本棚と二人掛けのソファー、そして一枚の大きな絵。絵に描かれていたのは、笑顔で立っている男女二人組だった。
私はその絵を見た瞬間、頭が真っ白になってしまった。
(嘘……。何で……。だって、この絵の人は……!)