第13章 私の願い 二人の想い *番外編*
その後、私は別の道を使っておもちゃ箱の中に入った。
ここは私が作ったり、遊んだりした物をしまっておく場所だが、余り来ないので物が散乱している。その上薄暗いので、とても歩きにくい。
そこで私は、私が作った相棒の青い人形を呼び、転ばない様に案内させた。
ここにいつも居るお陰で、物がある場所が分かっていた青い人形は、嬉しそうにトコトコと私の前を歩いて行った。
少し経った頃、青い人形が私に何かを差し出してきた。よく見るとそれは、真紅に染まった真っ赤な薔薇だった。
「私にくれるの?」
私がそう聞くと、人形はキャハキャハと笑った。肯定の様だ。
「やった! ありがとう!!」
私が人形から薔薇を受け取ると同時に
「メアリー!!」
奥から私の名を呼ぶ二つの影が現れた。
「あれっ! イヴとギャリーだ! あのね、さっき良い物もらったの!!」
そう言って私は見せびらかすかの様に、二人の前に赤い薔薇を差し出した。