第13章 私の願い 二人の想い *番外編*
床に倒れて、どれくらいの時間が経っただろうか。
気が付いた私はゆっくりと身体を起こし、ふるふると頭を振った。辺りを見回してみたが、そこにはもう、二人の姿パレットなかった。
「ねぇお姉ちゃん。二人、何か言ってた……?」
一部始終を見ていた、壁に掛かった女の人の絵に問い掛ける。
『男が記憶を取り戻して、メアリーの秘密を女の子に話していたわ。女の子はかなりショックを受けていたみたいだけど、ここから立ち去る時は心配そうにあなたを見ていたわ』
「…………、そう。ありがと」
お姉ちゃんからの言葉を聞いた私は、大きく深呼吸をして、二人を追うために走り出した。
早くしないと、イヴとギャリーの二人が外に出てしまう。
……また私は一人になってしまう。
――もう、なりふり構っていられなくなった。
他のお姉ちゃん達にも話を聞きながら進むと、チラッと揺れる紫が見えた。
足音を立てない様にゆっくりと近付くと、大きな箱を覗きこんでいる二人がいた。
「これがおもちゃ箱? ずいぶんと大きいのね……それに底が深くて真っ暗だわ。……この中に鍵があるのかしら?」
「そうみたいだね……どうする、ギャリー?」
「うーん……」
「行ってみたら?」
二人が話し合っている間に、私はこっそりと背後に回り込み、背中を思い切り突き飛ばした。
私は二人が落ちていく様子を、そのまま黙って眺めていた。