第12章 『さよなら』の先に
ギャリーは私が泣き止むまで、ずっと抱きしめてくれていた。
ようやく落ち着いた私は、ギャリーに様々な話をした。
今はいつなのか?
どんな世界になっているか?
実はメアリーと一緒に脱出して、今では姉妹として暮らしていること。
ギャリーも私に話を聞かせてくれた。
向こうの美術館には色々なルールがあり、メアリーは外に出る為にギャリーを襲ったこと。
向こうからこちらを見れる絵があって、そこを見たら私が居たこと。
私が絵に置いていた手に自分の手を重ねたとたん、こちらに出られたこと。
「しっかし……何でいきなり外に出られたのかしら?」
「うーん……」
多分、出る前にやった『手を重ねること』が大切だったと思うんだけど……。
「良く分からない」
「アタシも……。まぁ、『終わり良ければすべて良し』ってことでいいんじゃない? 考えても分からないことは、分からないんだし」
「……そうだね」
考えても答えは出ないと思った私は考えるのを止めて、再会出来た喜びを噛みしめることにした。