第8章 おもちゃばこ
私とギャリーはおもちゃ箱の中を手分けして探した。だか、周りが薄暗くて薔薇はすぐには見つからなかった。その代わり――
「ギャリー!」
名前を呼ぶと、すぐにギャリーはこちらに来た。
「何? 薔薇見つかった?」
「ううん、まだ。でも代わりにこれ見つけたよ」
そう言って私はギャリーにそれを見せた。
「これって……鍵!?」
「うん。多分私たちが探したていたぴんくの鍵だと思う」
「そう。これで先に進めるわね。あとはイヴの薔薇だけど……」
その瞬間――
『キャハハハハハハ!!』
不気味な声が辺りに響き渡った。
それに、
「私にくれるの? やった!! ありがとう♪」
と言う無邪気な声が続いた。
「え……? この声って、まさか!? 行くわよ、イヴ!!」
「う、うん!」
ギャリーに手を引かれながら、声のした方へ走ると、やはりそこに居たのは金髪に青い目、高級そうな緑のワンピースを着た、仲間だと思っていた女の子――メアリーだった。
「メアリー!!」
ギャリーが声を出すと、メアリーはこちらを向き、今までと同じように笑った。
「あれっ!? イヴとギャリーだ! 探し物は見つかった?」
「…………」
「それより、さっきいいものをもらったの!」
そう言ってメアリーが差し出したのは、真っ赤な真っ赤な私の薔薇だった。