第2章 それは、唐突に
その後、二階に上がった。一階より人が少なく、彫刻が多かった。
二階をぐるっと回ると、一番大きな絵の前に出た。
『●●●の世界』
なんて読むのか考えていると、
――ピカッ、ピカッ。
蛍光灯が瞬いた。
(……蛍光灯、古くなっていたのかな? まぁいいや、お母さん達受付終わったかなぁ)
そろそろ合流しようと階段の方に向かったが、人がいない。
(あれ? さっきまで人がいたのに……。一階に行ったのかな?)
そう思い一階に降りた。……だが、そこには誰もいなかった。
……一緒に来たはずのお父さんとお母さんも……
(ドッキリ……じゃないよね、さすがに……。もう一度探して見よう)
一階・二階を隅々まで探して解った事は、出入口と窓が全て閉まって開かない事と、やはり人はいないという事だった。
そして、最後に二階のあの大きな絵の前にたどり着いた。その絵の額縁からは青い絵の具が垂れていた。
(? さっき来た時はこんなの付いてなかったのに……)
じっと見ていると、床と壁に文字が浮かび上がってきた。
《おいでよ イヴ》
《したにおいでよ イヴ ひみつのばしょをおしえてあげる》
(……下? 一階のこと?)
もう何度も行き来した階段を降り、一階へ行くと床に描かれた絵の周りにあった柵の一部が開いている。
(ここに入れ、ってこと……だよね?)
出入口が全て閉まっているため、どうしても進まなければならなかった。
(行けばお母さん達の事が解るかも知れないし、出入口が閉まっているからここから出られないし……)
「……進むしか……ない」
意を決して絵に飛び込んだ。