第5章 黄色い薔薇
「ちょっ、イヴ大丈夫!?」
ギャリーは私に手を差し伸べながら言う。
「……大丈夫だよ」
「そう、ならよかった。あと……」
ギャリーは私と反対側を見ながら声をかける。
「そっちのしりもちを付いているアナタも大丈夫?」
「……っ!!」
明らかに警戒しているその子は、金髪碧眼で、高級そうな緑色のワンピースがよく似合う、私と同じくらいの歳の女の子だった。
「そんな警戒しないで!! あっ、アナタ、あの美術館にいた人じゃない?」
「……う、うん」
「やっぱり……ねぇ、今アタシ達外に出るための手がかりを探しているんだけど……もしかして、アナタも?」
「わっ私も……誰かいないか探してて……」
「そうなの!? それじゃアナタも一緒に行きましょ!! 女の子一人じゃ危ないわ。えっと……名前教えてくれる?」
「……メアリー」
「アタシはギャリー、こっちがイヴ。よろしくね!」
「うん! イヴもよろしくね!」
「よろしくね! メアリー!!」
ギャリーに続いてもう一人、大切な仲間が出来た。
*
この時はよかったのだ。――そう、『この時』は。