第5章 黄色い薔薇
その後行き止まりになってしまったので、一度来た道を戻り、違う道を探す事になった――のだが、道を戻っている途中、来た時には無かった赤い足跡が付いている。
それは――こちらも来た時には無かった――ドアに向かって付いていた。
まるで『こっちにおいで』と誘っているように。
私がそちらに向かった途端、ギャリーに止められた。
「イヴ、これ罠って可能性もあるわ!! もっと慎重に行動した方が良いと思うの」
ギャリーの言っている事は最もだ、と思いながらも、自分の意見も口にする。
「うん。でもここから出る為の良い手がかりがあるかも知れないし、放っておけないよ? 戻っても道が無かったら、どうせ行く事になるから今行っても変わらないよ?」
ねっ!! と、同意を見詰めること数十秒。どうやらギャリーも折れたらしく、ため息を付きながら呟く。
「そうね、イヴの言ってる事にも一理あるし……行ってみましょうか」
パアッ、と効果音が出るくらい私の顔が明るくなったのが自分でも分かる。
行きたい所へ行けるのが嬉しいのではなく、自分の意見を受け入れて貰えた事が嬉しかったのだ。
そんな私の顔に人差し指がズイッと迫って来て、チッチッチッと揺れた。
「た・だ・し、くれぐれも慎重にね!」
「はーい」
……ギャリーって、本当心配性だなぁ……
言われた通りに慎重にドアを開ける。すると、
――ドンッ
と、体に衝撃が走り、私はしりもちを付いてしまった。