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 『さよなら』の先に  【Ib】

第4章  レモンキャンディー


(ギャリー……本当に優しいな。助けてもらってばっかりだし、何か恩返しができないかな?)
 考えた私は取り敢えずギャリーと話すことにした。
「ギャリー、コートありがとう。……ギャリーって、好きな物、何?」
 ギャリーにコートを差し出しながら言った。
「どういたしまして! 好きな物? そうね……甘い物とか好きよ♪」
「私も好き! マカロンとか……あっ!」
 そこまで話を聞いた私は、ふと、ある提案を思いついた。
(こんな事で恩返しになるか分からないけど……)
「どうしたの? 急に大声出して……」
「あのねギャリー、ここから出たら一緒にマカロン食べに行こう!」
「それ、良いわね! アタシ、マカロンが美味しい喫茶店知ってるの。そこに行きましょ。約束だからね!」
 そう言ってギャリーは小指を差し出してきた。
「うん! 約束!」
 私も小指を出して、ギャリーと指切りをした。

 休んだ私達は、また出発することにした。
 あんな事があってまだ怖かったが、
「さ、また怖い事があるかも知れないけど、もう少しできっと出られるわ! 頑張りましょ!」
「うん!」
 ギャリーがいるから――ギャリーと一緒だから、私は前に進める。
 また手を繋いで、次の部屋へと踏み出した。
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