• テキストサイズ

 『さよなら』の先に  【Ib】

第4章  レモンキャンディー


「きゃっ……!」
「だ、大丈夫よ!アイツ足遅いから、こっちに近寄ってきた隙にアイツが作った穴から出ましょ!」

 ギャリーと手を繋ぎながら女の絵の隙を見て外へ出ると、そこに広がっていたのは大量の女の絵が一斉に襲ってくる、地獄の様な風景だった。

「イヴ! あの開いているドアの所まで全力で走るわよ!」

 ギャリーは開いているドアを指さしながら叫んだ。

「う、うん!」

 私達は女の絵を避けながらドアまで全力疾走した。




 命からがらドアの向こうに入って、一息つく。

「はぁ……はぁ……こ、ここまで来れば大丈夫でしょ。ドアもきちんと閉めたし……ざまぁみなさい!」

 ギャリーも私も怪我は一つも無かった――けれど……

(どうして……どうして私達だけこんな目に会わなくちゃいけないの? 何で……何で!)

 そんな事を考えていたら、フッと目の前が真っ暗になった。
 暗くなる直前、ギャリーの驚く顔と私を必死に呼ぶ声が聞こえた気がした。
/ 82ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp