第1章 ようこそ月城荘へ
「あれ〜。まーたまっつん女の子怒らせてる。」
松岡を叩こうとした瞬間、また背後から声がして右手を上げたまま振り向く武田。
「まっつんだめだよー?女の子には優しくするんでしょー?」
そこには黒髪にメガネの男の人が立っていた。
ふわふわの髪。優しい口調に控えめな雰囲気。
なんていい人そうなんだっ!←ぇ
「ちげーょ。むしろ優しくしてるって!
れっちの引越し手伝ってんだから。」
おいこら。もうこの男は人のあだ名を決めたのか。
「まっつんは一言多いけどねー!」
仕返しとばかりにさっき聞いたあだ名を言って舌を出して見せた。
「え、あ、そうなの?この人ここに引越してきたんだぁ。」
まだ自分が名乗ってなかった事に気付き慌てて自己紹介する武田。
この癒し系男子は是非とも仲良くなりたい。
「はじめましてっ!
今日からお世話になりますれな武田と申します!
これから仲良くしてくださいねっ☆」
武田は今日1番のとびきりスマイルで右手を差し出した。