第1章 ようこそ月城荘へ
「…まっつんの彼女さんなの…?」
「へ?」
思っていた反応と違いなんともマヌケな声が出てしまった。
「ちっ違う違う‼︎今日‼︎さっき!
はじめて会ったんだよ!?」
首を大きく振り全力で否定する武田。
その姿を見て黒髪男子は屈託のない笑顔を見せた。
「なーんだー。てっきりまっつんの彼女さんかと思っちゃったよ〜。
僕は雪村透。よろしくねー。」
そう言いながら雪村も右手を差し出した。
あぁ変な誤解されなくて本当によかった。
この人なら落ち着いてそうだし、きっと素敵な人なんだろうなぁ…
そんな事を考えていると、ふと雪村の左手に持っている荷物に気付く。
「! 何持ってるんですか?」
「ん?これはまっつんへの差し入れだよ。」
差し入れ?何の差し入れなんだろう?
疑問に思い武田は覗き込んだ。
「雪村さんは優しいね☆
でもなんの差し入れ??」