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【ハイキュー】大王様の奴隷〜命令H〜【R18】

第3章 逆らいの条件


学校を出ると、電話がかかってきた。


岩泉先輩からだ……!


「岩泉先輩、どうしたんですか?」


『ヤバいシホ!及川にバレた!』


「えっ、及川先輩に……⁉︎」


嘘、早すぎだ。


でもなんで……。


『お前の学校に、北一から誰か行ってるみたいなんだよ。疑問に思った奴が及川に言ったらしいんだ』


そんな。


岩泉先輩と違う高校まで選んで付き合い続けようとしたのに、もうバレたなんて。


損ばっかりだし、嫌だ。


別れたくない。


「私、別れたくないです……」


『大丈夫だ。俺らのことはバレてない。けど……及川そっちに向かってる』


「どうすればいいですか……⁉︎」


付き合っていられるなら及川先輩に会うのくらいどうにでもできる。


けど、岩泉先輩の言ったことの方が確実だよね。


『変に逃げるな。ただ、烏野を選んだこととそれを言わなかった適当な理由考えとけ』


じゃないと、何をするかわからない。


心配してくれる岩泉先輩の声に胸が苦しくなった。


「あの……」


「本当に烏野にいた」


ビクッ……。


目の前に現れたその人は、随分と機嫌が悪そうなのに嬉しそうな顔をしていた。


「及川、先輩……」


日が沈みそうな夕暮れ。


凶暴なカラスさえ逃げ去るようにして、バサバサと翼を広げ飛んで行く。


大人びたその顔は、あの頃よりずっとカッコ良くて、ずっと怖かった。


電話越しに私の声が聞こえて急に黙り込んだ岩泉先輩。


私と先輩が電話していたのがバレたら……終わりだ。


「ごめん、大事な人に会ったから……また、かけるね」


通話ボタンを切ったら、急に一人ぼっちになったみたいに怖くなった。
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