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【ハイキュー】大王様の奴隷〜命令H〜【R18】

第13章 敗北の慰め


荒々しく舌が口内を犯すキスとちがって、ゆっくり動く舌は意思を持ってるみたいだ。


私も意思を持って会話を交わすように舌を伸ばす。


触れれば一瞬躊躇いがちに止まって、次は欲しがって大きなうねりで擦りつけてくる。


ディープキスしながら、言葉にはしない謝罪と許しを舌で交わらせた。


それでもどこか影山は遠慮気味で自分自身を許しきれてないみたいだった。


「……シホ」


悲しい表情で、でも愛おしい眼差しで……影山はもう一度触れ合うだけのキスをしてくれた。


影山は愛しいと思った時にキスをしてくれる。


合宿の時からそうだった。


わかりやすくて純粋な影山にあんな行動をさせて傷つけたのはやっぱり、紛れもなく私なんだ……。


言葉にしない代わりに、心の中ではまだ謝らせてほしい。


ごめんね。


影山の唇が離れていく。


そのまま上半身を起こした影山に、すぐに離れていきそうな気がしてしまう。


まだ帰らせちゃ駄目……。


私がキスしただけじゃ、影山の罪悪感は拭われてなんかいないから。


次は私の番だ。


「私はどうしたらいい……?」


「え……」


「何をしたら影山の気が済む…?」


酷くしてって言って影山を受け入れなかったこと。


どうしたら許してもらえる?


私はやさしいキスをして貰えただけで、もう苦しかったことなんて気にしてない。


影山の罪悪感が消えない限り、私も許してもらえてないのがわかって苦しい。


「お前の傷が消えるまで気が済まない……。傷つける前に、戻りたい」


「それは……無理だけど…。別に私……影山が思ってるほど傷ついてないよ」


「泣いてただろ。…嘘つくな」


また言ってることとしてることが矛盾してた。


影山の悲しい顔を消すことに必死で、考えもせず行き当たりばったりな言葉ばっかりが出てくる……。


どうしよう……。


「もう一回、絶対嫌なことしないから。……していいか?」


座ったまま影山が寝転ぶ私を見下ろす。


もう一度、影山と……。


それで影山の気が済むのなら。苦しくないセックスなら、何度だって……。


頷けばもう一度影山は私の上に覆いかぶさった。


目を合わせて見つめ合う。


大丈夫……もう間違えないよ。
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