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【ハイキュー】大王様の奴隷〜命令H〜【R18】

第13章 敗北の慰め


お風呂まで案内する。


脱衣所の隅っこにエナメルバッグを下ろす影山を横目に、私はバスタオルを取りに行った。


なるべく新しいのを探す。


「着替え持ってる…?」


「ん」


「……タオル、これ使って」


影山がタオルを受け取る。


動作の一つ一つに力がこもってなくて、全然目も合わない。


上のジャージを脱ぎ始めたのを見て私は扉をそっと閉めた。


荷物を片付けて、家の中をうろうろする。


玄関でさっき脱いだ二人分の靴を揃えてみたり、部屋を少し掃除してみたり。


何して待ってればいいのか、自分の家なのに落ち着かない。


シャワー終わったらお茶飲むかな。


私は汗をかいてないけど、浴びてからするのじゃ待たせすぎ……?


わかんない……。


リビングのソファで膝を抱えてぼーっとしながら待つ。


しばらくして廊下の方から扉を開ける音が聞こえた。


リビングから廊下に出る。少し近づけば私の家のシャンプーの匂いがした。


その先にいるのは家族じゃない人間……。


高校生が勝手なことをしてるっていう背徳感と、今日だからこそできる特別感。


髪の濡れた影山を見るのは初めてじゃないのに、これからするんだと思うと色気が増えて見える。


影山の表情は変わらず苦しそうだけど、さっきよりは幾らか落ち着いてるように見えた。


脱衣所の中で立っている影山の手の中のバスタオルを引くと、また力が抜けていて簡単に抜き取れた。


ほんの少し気まずい空気。言葉は出てこない。


髪の先から零れそうな雫をそっと拭って、水の垂れている首元にタオルを伸ばす。


触れ合いそうな体の距離。影山の体をタオル越しに触れた時に、欲が溢れて弾けた。


ギュッ……


影山がバスタオルを持つ私の手を勢いよく引いて、そのまま私を腕の中に抱き入れた。


シャンプーの香りと温かい体温に包み込まれる。


痛いくらい力強く抱きしめられる体。


「どこで……お前を犯せばいい」


掠れるような声で影山が耳元で囁いた。
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