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【ハイキュー】大王様の奴隷〜命令H〜【R18】

第13章 敗北の慰め


シホside


手を繋いだのはどうしてかわからない。


指まで絡めたのは、なんでだろう。


岩泉先輩とでさえ指を絡めて恋人みたいに外を歩いたことは無い。


でもなんだかそれも今はどうでも良くて。


負けがつくった大きな穴が心にぽっかりと空いていて、同時に頭の中が空っぽになって。


息苦しさというか痛みしか感じない。


それを増長させたのは影山だ。……私に悔しさを分けてくれた分、私が感じた以上の苦しみを知ってしまった。


今影山はどういう気持ちで私と手を繋いでる?


試合に負けた直後に私と影山がすることには、どんな意味がある……?


少しでも影山の救いになるんだろうか。


わからない。


頭が上手く、回らない。


予選前日に二人で歩いた私の家までの道を歩く。


キスしたあの場所が夜と昼間じゃ全然景色が違って見える。


「……」


何も言わず顔も合わせずに、まるであの時のキスがなかったかのように通り過ぎる。


私の家が近づいてきても手を繋いでるのを離したりはしなかった。


途中で顔見知りのおばさんが通り過ぎていったけど、またお母さんになにか聞かれるんだろうな……。


お母さんには彼氏だって言えばいいかな。


もうわかんない。……今は、知らない。


家の目の前でカバンから鍵を探すために影山の手を離す。


するっと抜けていく影山の手。


影山が強引にしてたいつもと違って、今手を握ってたのは私の方……?


扉を開けて影山を中に入れる。私も入ってから直ぐに内側から鍵を閉めた。


「……ただいま」


「……じゃま、します」


静まり返って返事はかえってこない。


居ないことはわかってたけど、一応の確認。


「今日二人とも遅いの。……シャワー浴びる?」


頷く影山。靴を脱いで貰って、家の中にあがらせる。
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