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【ハイキュー】大王様の奴隷〜命令H〜【R18】

第11章 朝の二人


暖簾をくぐって女湯を後にする。


髪の毛を乾かしていたこともあって、時間は既に6時15分。岩泉先輩は20分以上前に部屋に戻ってるはず。


青城の人たちは少しずつ起き始めてきたころかな。


それともまだ寝てるかな。


……岩泉先輩は何をしてるんだろう。


「……」


岩泉先輩……。


心の中で名前を呼ぶ。ごめんなさい……そういう意味合いが一番こもってる気がした。


謝ったところで罪悪感から逃れることはできない。


「シホ…?」


「あ、影山……」


部屋が見えてきた時、昨日岩泉先輩と菅原先輩に遭遇した所で影山に声をかけられた。


手にはまだ沢山入ってるミネラルウォーターのペットボトル。


自動販売機に買いに行ってたのかな……?


私を見つけると本能的なのか、いつもの仏頂面を少し緩ませて駆け寄ってきた。


「はえーな。風呂入ってきたのか?」


「うん…」


影山が歩き出す様子もなくて、自然と立ち話になる。


改めて人と喋ってみると、自分がどれだけ気持ちが落ち込んでるのかがわかった。


声は小さいし覇気がない。朝だから機嫌が悪いとか、そういう感じのじゃない。


元気に話せるわけないよ……。


疎い影山でも流石に私がいつもと違うと思ったらしくて、怪訝な顔をして首を傾げた。


「どうした?」


こういう時にストレートに人に聞ける力って凄い。簡単に出来ることじゃない。


空気読まずな行動に捉えられるかもしれないけれど、影山のこういうところは悪くないと思う。


でも今は聞いて欲しくない。


……答えられることなんかじゃないの。


「ん、なにが?」


影山の質問に平然を装って答えた。


無理やり明るい声を出して、引きつりそうな頬を上げて笑う。


上手く笑えてる……?


「……お前…っ!」


「……!」


急に影山に肩を掴まれて、前髪を掻き分けるようにしながら上を向かされた。


物凄い形相で睨み付けてくる影山と目が合う。


「泣いたのか!」


怒った声……それと同時に焦った声で影山は問いただしてきた。
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