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彼女【及川徹】

第1章 1話



及川side


練習中、望美の用事が気になっていたが、倒れる程キツイ練習のせいでいつの間にか頭から離れていた。




午後6:40。

後片付けをして着替えてる最中の事だ。



「そーいや及川」
「なに?まっつん」
「俺、今日掃除当番で遅れたんだけどさ、ここに来る時、相談室で先生と話をしている望美を見たぞ」
「え?そうなの?」
「うん。なんか真剣な表情だった。」

「ふーん。何話してたのかな」
「さぁね」



それだけ伝えると、まっつんはマッキーと話をしだした。
なぁんだ。先生と話をしていたんだ。
でも相談室を使う程大事な話なのかな?
進路とか?そろそろ進路を決めなきゃいけない時期だもんな。


少し早すぎない?とか思ったけど、まぁいいやと思いそそくさと着替えを済ませた。



……部室を出ると望美がケータイをいじりながら待っていた。
暗いから望美を家まで送る。それがいつものパターンだ。

望美は送らなくていいと遠慮しているが俺がそれを許さない。
だって、あぶないもん。


「お待たせ。待った?」
「うん、結構待った」
「望美ちゃん。そこは今来たって言うんだよ」
「なぜ嘘をつかなきゃならないの」


……望美は冗談のきかない子だったのを忘れてた(´>ω∂`)


「ま、まぁいいや。行こうか」


望美の手を取り歩き出す。
後ろからテケテケと付いてくる望美が愛らしい。
ゆっくり、ゆっくり歩く。1分だけでもいいからこの時間が続くといいなんていう女々しい理由で。
望美が知ったら笑うかな。






数十分が過ぎ、笑いながら歩いていたら望美が急に声色を変えて俺に言った。




「ねぇ、徹。大事な話があるの。」



「どうしたのさ、急に」




「進路について、なんだけど」


「望美は俺と同じK大学にいくんだよね?」



「その事なんだけど、



私、東京の大学に行くことにしたの。」








望美の言っている意味がわからなかった。




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