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彼女【及川徹】

第1章 1話



及川side


数学の時間。案の定俺は当てられた。


「及川。次の問2を答えなさい。」
「はい、x=~……」
「正解、じゃぁ次の問題をー…」

当たってる。望美は頭もいいから間違えることは少ないから本当に助かる。

望美のいる方に目線をやると丁度目があい、俺が口パクで『ありがとう』と伝えると望美が親指を立ててグッてやってくれた。

ふふっ、かわいい。

望美が黒板に目を向けたから俺もノートに目を移しあっていた所に赤ペンでマルをつけた。




数十分後。
そろそろ授業に飽きてきた俺はなんとなく望美に視線を向けた。

―――俺はびっくりしたよ。
だって、いつも真面目に勉強に取り組んでる望美が居眠りをしてるんだもの。

俺は今まで居眠りをしている望美を見たことない。
昼の後の英語の時間だって、つまんない英文を長々と聞かされていてもずっと真剣に取り組んでいた望美。
朝イチの国語。教科書の文を延々と聞かされても、絶対に寝なかった望美。

その望美が、寝てる!
昨日何かあったのかな?実は宿題が難しくて手こずったとか?
いや、でも今回の宿題はそこまで難しい問題じゃない。望美なら10分もかからずに終わるはず。

なんでだろ?後で望美に聞いてみよう。

寝てた理由が知りたくて、うずうずしていたら先生にトイレと間違われてしまった。

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