第1章 1話
及川side
目を開けると、そこには望美が眠ったいた。
事故直後だから病室にいるかというと、そうではない。
何故か、望美は無傷で自分の部屋でぐっすり寝ていた。
そして俺も、無傷で、そして部活のジャージを着て立っていた。
わけがわからない。
俺らは無傷で、何故か望美の部屋にいる。
病院じゃないの?
俺の頭の中はクエスチョンマークで埋め尽くされていた。
ふと、時計を見ると今は午前4:45。ちょうど朝方で俺がいつも起きている時間だ。
まって、朝起きて男が部屋にいるとなるとまずくない?やばいよね?
どうしよう。
待って、その前に。
あの事故は夢だったの?
それともこれが夢なの?今、は何日?
ポケットを探ると運良くケータイが入っていた。
電源を入れて、日にちを確認した。
俺は絶句してしまった。
何故なら、日にちが戻っていたからだ。
俺らが事故にあっただろう日は、9月2日。
ケータイに写っている日にちは、6月29日。
なんで、2ヵ月近く戻ってるの?
ケータイ壊れた?いや、この前買い換えたばっか。
時間が戻ったって事?
次の瞬間。
ピピピピピピピピピピピ。
望美の目覚まし時計が鳴り響いた。
やばい、俺がここにいちゃまずいぞ。
警察呼ばれちゃうかも。
部屋から出ようとドアノブを掴んだ。
掴んだところまでは、いい。
だけど、回せないんだ。
いくら力を入れても、両手を使っても、引っ張っても押しても体当たりしても、
ドアはびくともしない。
鍵がかかってるのかな?とか思ったけど鍵はかかってない。
なんでなの?
どうすることも出来ずにただ焦っていると、
望美が起きてしまったんだ。