第10章 10章
やってしまったと思うけどもう遅い
男「え、きみ青城のマネ?ごめんね
でも今年は青葉城西がヤバイらしいよ
及川が3年になってから頭一つ抜けてるって
って言おうとしてたから」
うわあああ、わたし完全に恥ずかしい人じゃん!
『ごめん勘違いした』
男「あと1年のノビがスゲーんだろ、青城」
『うーん、そのへんは分かんないけど
わたし自分のチーム弱くないしむしろ強いと思うよ』
男「ははっ、言ってくれんじゃん」
男「いや〜つっても伊達工のブロックには勝てないんじゃないの?
なんでこのブロックなんだよ
……マジカンベン……」
伊達工……一応調べてきたけど
ブロックがすごいところってことしか覚えてない
けど、うちのチームが負けるわけないじゃん
って思いを込めて睨む
男「えーっとあとAブロックは――」
話をそらす目の前の男子高校生
男「……トリ……とりの??」
『カラスノだよ』
男「カラスノじゃね?」
不覚にも知らない人とはもってしまう
男「烏野?知ってる??」
男「前まで強かったトコじゃん?前までね
今はねなんかダサい異名ついてんだよ」
やばい烏野バカにされてて切れそう
男「えっどんな?」
男「確か――
〝堕ちた強豪〟〝飛べない烏〟」
もう限界
『そんな、いまの烏野を――』
言いかけたところで後ろからの強烈な視線に気づく
後ろには烏野のみんながいた
男(おいっちょっ…ヤバイ)
男「え?」
男(来た…!烏野だ…!)
男「!?」
田「飛べない?何ですって??」
うわ〜龍之介先輩怒ってるよ
男「うわぁ俺ら戻ろうぜ、ほら君も」
『え!?』
全く知らない人に腕をつかまれて嫌悪感が走る
『ちょっ、離して!』
月「ねぇ、ソレ僕の彼女なんだけど離してもらえない?」