第9章 9章
及川side
学校が始まるまで奈々ちゃんを
バレー部みんなで探し回っていたが見つけられなくて
仕方なく学校に戻る
授業なんて受けてる場合じゃないけど
そういうわけにも行かない
下手にバレー部みんなが授業をサボったら
部活停止だってありえるからね
まぁ俺はそんなこと忘れてて探し続けようとしたら
岩ちゃんに怒られちゃって思い出したんだけど
及「はぁ〜」
女「及川くん、元気ないね?大丈夫?」
隣の席の女の子がため息の多い俺を心配してくれたらしい
そんなにため息してたかな
完全に無意識だった
及「大丈夫だよ☆ありがと〜」
女「良かったらこれ食べて!」
小分けに分けられた袋に入ったお菓子を差し出す隣の子
なんか食べる気分じゃない
けど、断るのも悪い気がして受け取る
今まではこういうのが純粋に嬉しかったのに
いまはなんとも思わない
別に迷惑とも思わないけどね
それよりいまは頭の中奈々ちゃんしか考えられない
電話にも出ないし
さっきまで入っていた電源も、もう入っていなかった
授業を受けていても何も頭に入ってこない
そのまま放課後になり部活
部活をやるか悩んだが
奈々ちゃんが途中で来る可能性もあるよね
ってことになり部活はやった
まぁみんな身に入ってなかったけどね
そして部活も終わり奈々ちゃんを
みんなで探しに行こうとしていた
俺たちの前に現れたのは
山下ゆうゆ
元同じ北川第一の子で
俺にしつこく絡んできてたのを覚えてる
何回か告白されたし
そして奈々ちゃんをいじめてた元凶が
彼女だってことも知ってる
ゆ「こんにちは、及川さん!」
この子ホント苦手
っていうか裏ありすぎるし
及「なに?」
ゆ「奈々のことなんですけど〜、」
空気が一瞬で変わったのがわかった
ゆ「いじめ、やめてあげてもいいですよ?」
そう笑った顔は同じ笑顔なのに
奈々ちゃんとは天と地ほどの差があった