第6章 6章
徹先輩に抱きしめられて
本当にびっくりした
二回目だけどどうしていいか
わからなくてとりあえず固まっちゃった
徹先輩に謝られてたけど
全然頭に入ってこなくて
下向いてることしか出来なかった
けどなんか
そんなに嫌じゃなくて
だから今回はなぐらなかった
いや、こないだよりびっくりしすぎて
殴れなかっただけなんだけどね
及『奈々ちゃん、怒ってる?』
さっきから徹先輩はその繰り返し
怒ってはいないけど
この気持ちをうまく伝えられなくて
とりあえず首を横にふる
及『ほんと?よかったぁ〜
嫌われたらどうしようかと思った!』
嫌いなわけないじゃん
もしかしてわたしって
徹先輩のこと好きなのかな?
んーーまぁ嫌いではないけど
まだ確信を得たわけじゃないし
今のままで充分楽しいし
このまま過ごせればわたしきっと幸せだなぁ〜
とか考えていたことがだんだんそれてしまい
『ねぇ、徹先輩!
アイスありがと、美味しかった!』
とりあえず徹先輩のことが好きなのかどうかを
考えることを今は放棄した