第3章 客【ミヨ】
何故か隠れて見ていた
見つかるとミナが怒るのを知っているから
ミナは最近
一緒にいると機嫌が悪かった
それは、自分のこの性格の為だと知っていた
ミナをイライラさせていると
でも、ミヨはミナを求めていたのだった
ミナが部屋に戻るために
道を引き返して来たのだ
ミヨは焦った
このまま見つかったら
何と言い訳をしたらいいのか....
焦りながら辺りを見回すと
近くの部屋の扉が
開いていたのに気が付いた
ミヨは急いで
その部屋に身を隠すことにした
ミナはミヨの事を
気づかずに部屋に帰っていったようだ
ミヨは扉を背にして
安堵のため息をついた
その時に
シーツに埋もれた部屋に
男の人がいる事に気が付いて
驚いた
渋谷「ここで何してるんや?」
渋谷は不機嫌そうに聞いてきた
ミナは、勝手に入った事が
悪い事だと分かっていたから
余計に焦ってしまう
ミヨ「す、すいません
ほ、本当にすいません」
ミヨは必死で頭を下げて謝った
渋谷「べつに
そこまで謝らんでもええけど.....」
渋谷は
ミヨの様子に呆れながら言った
ミヨ「そ、それでは失礼します」
ミヨは急いで
その部屋から出ようとした
すると
渋谷は静かな声で
渋谷「ええん
今すぐ戻ったら見つかるかもやで」
そうミヨに
全てを見透かしたように言った
ミヨ「えっ」
ミヨは驚いた顔で渋谷を見た