第17章 兆し

　横山と丸山は

他の場所を捜索しているメンバーを探し始めた





錦戸と安田の探し当てた場所を特定するために






すると、ロビーに戻って来た二人の目に

フロント奥から村上が出てきたのが見えた




村上も横山の顔を見ると

嬉しそうに近寄って来た




村上「お前も参加したんか？

ここにはおらんかったわ」



村上は二人に告げると

二人の顔つきが

いつもと違うのに気が付き

不思議そうに二人を見た




横山「亮とヤスまで捕まってもうたわ」




村上「はぁ？」




村上は突然の言葉に

受け入れる事が出来なかった





丸山「僕たちは見たんだよ

窓ガラスの向こうに映る二人を・・・」




丸山が辛そうに俯きながら言うと

それで、ようやく村上も冗談ではないと

悟ったようで動揺しながら二人を見た





村上「・・・なんでや、なんで捕まったんや？」





横山は静かに首を振る





横山「何もわからん

二人の身体がどこにあるかすらな？」





村上「身体？」





村上には、横山が何を言おうとしているのか

理解出来ないようだった




すると丸山が優しい声で説明した





丸山「雪の場合も、身体ごとじゃなくて

精神だけというか魂だけが

連れ去られたでしょう？

だから、

二人の身体はこの屋敷にあるはずなんだよ」





村上「なるほどな・・・」




村上は納得して小さく頷いた




横山「亮たちが、どこを探してたか

知ってるか？」





横山が訪ねると

村上は無言で首を振り





村上「バラバラで探してたからな・・・」





そう残念そうに告げたのだ





横山「さよか・・・」






横山は考えていた

錦戸ならどこを探すか・・・





安田ならどこに向かうか・・・・