第2章 客 【ミナ】
ミナは案内された廊下を歩いていた
廊下の明かりは蛍光灯はなく
珍しく蝋燭だった
窓には厚いカーテンが引かれていて
これでは、外が全く見えない
それが不思議な空間を漂わせていた
どこに行く当てもなかったが
ミナは部屋には居たくなかった
だから散歩気分でホテルを歩こうとしたのだ
ミナが廊下を曲がった時だった
雪「きゃっ」
突然
女の人にぶつかってしまったのだ
女の人はバランスを崩して転んでしまっていた
ミナは驚いた
その女の人のお腹が大きかったからだ
ミナ「本当にすいません
大丈夫ですか?」
急いで女の人に駆け寄り心配すると
女の人はお腹を摩りながら微笑んだ
雪「大丈夫
この子たちは強いから」
ミナはその言葉に顔をしかめた
ミナ「この子たち?」
すると女の人は
優しそうにお腹を撫でながら
雪「実は、二人なの....」
ミナは女の人のお腹を見つめた
自分たちと同じ双子
その時だった
大倉「雪、どうしたんだ!」
大倉が床に座り込んでいる
雪を心配して走ってきた
急いで雪の傍に膝をつけると
お腹を心配するように
雪を見つめた
雪「大丈夫よ、ちょっと転んでしまって
その方に助けてもらってたの」
そう言うと雪は
ミナに微笑んだ
大倉は雪の言葉を聞くと
大倉「そうでしたか
それは本当にありがとございました」
深々とミナに頭を下げたのだ
ミナは恥ずかしそうに雪に微笑んだ
それに合わすように雪も微笑み返した
大倉「でも、心配だから
マルにみてもらおう」
そう言うと雪の腰に手を添えて
ゆっくりと立たして上げた
雪「パパを安心させてあげなきゃね」
雪は嬉しそうにお腹を撫でながら言うと
大倉は恥ずかしそうにミナに頭を下げて
二人はミナの前から姿を消した