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Dye D? 3

第2章 客 【ミナ】





 ミナは部屋に入ると

自分の持っている鞄を

高級そうなソファーに放り投げた



ミナ「噂はしょせん噂か....」



そう呟くと

ソファーにドカッと座わり

部屋を見まわした




ミナ「本当に古いホテルね....

よくこんなホテルに泊まりたいて

予約したわね...」



ミナ呆れながら呟いていた










 ミヨとはずっと双子だったから

何をするにも一緒だった




誰もが間違えるほど

顔も声も似ていた事が

ミナは嫌で仕方なかった


ミヨが子供の時から大嫌いだった


ミヨは気が弱く怖がりで

いつもミナの後ろをついて歩いていた

ミナが守らなければ

学校ではいじめの標的にされていただろ



いつもミナが進む進路を

一緒に歩いてきていた

いつもミヨはミナの決めた事に従っていた

ミナの決断を待っていた





でも皆はそんなミヨを可愛いと言う

可愛くって優しいミヨを愛する

自分が初めて好きになった人でさえ

ミヨを選んだ




同じ顔なのに.....

静かなだけで愛される....




それがずっと気に食わなかった




だからミヨが初めて

誰にも頼らず予約した

ホテルについて来た




何を思って

ミヨが予約したかは知らない



ミナもホテルの噂は

ネットで知っていたし

友達の間でも噂になっていた




だから余計に

ミヨだけが注目を浴びて

良い思いをするなんて

絶対に許せなかった






 ミナは部屋にいて

何故か落ち着かない自分に

気が付いていた




何故か胸を絞めつける

感覚に襲われていたのだ



そんな自分を落ち着ける為に

部屋を歩き出してみた



ソファーの近くの大きい暖炉の上には

綺麗な絵が飾られている

絵には興味はなかったが

その絵をじっと見つめていた

この絵はミヨによく似ている

穏やかで優しそうな顔




「この世は平等じゃない....」


ミナはマリア様の絵に向かって吐き捨てると

何を思ってか部屋から出て行った





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