第11章 死神
横山はフロントの奥の部屋で
ソファーに座り本を読んで静かに
全員が集まるのを待っていた
先に来た者は
理由を知っている者、知らない者
それぞれが
どことなくイライラした感じで待っていた
その雰囲気が部屋の感じを悪くしていた
村上「遅くなってごめんやで」
そんな部屋の空気の中に村上が
謝りながら入って来ると
その後ろを錦戸と安田が入って来た
三人の顔を見ると
横山「これで全員揃ったか・・・」
横山は本を静かに閉じた
渋谷「急に集合なんて
客に何かあったんか?」
横山が本を閉じた事によって
話が始まったと知り
渋谷が疑問を口にした
亮「えっ?
すばる君は、アイツに会ってないん?」
錦戸は驚いていたが
横にいる安田が笑いながら言った
安田「俺も会ってないで」
錦戸は驚いて安田を見た
錦戸「お前、さっき何も
言ってなかったやんけ」
安田は惚けた顔で
安田「あん時は、話を合わしてたんやで」
その話を聞いていた
渋谷はイライラし始めたのか
渋谷「あーっ!何の事や!」
怒りながら言う
その様子を冷静に
みんなの後ろに立っていた大倉が
大倉「実は、僕も会ってないんだ・・・・」
静かに手を上げてアピールした
その姿を見た横山が口を開き始めた
横山「会ってないのが、
すばる、大倉、ヤスか・・・・」
すると名前の呼ばれていない者が頷いた
横山「残りの者とゲストは
出会ったって事やな・・・」
そう言うと自分の唇と親指で触りながら
考え始めた