第9章 誇り高き者
大倉は心配そうに眠っている
雪を黙って見つめていた
その横には村上も立ち見つめていた
村上が急いで大倉に知らせて
二人で雪を部屋に運んだのだ
村上「本当に悪かった
俺が一緒におったのに・・・」
村上は申訳なさそうに言うと
その言葉に大倉は静かに首を振る
大倉「ううん、守ってくれて
本当にありがとう・・・」
大倉は嬉しそうに村上に伝えた
そして
優しく雪のお腹に手をあてて
お腹の子供にも愛情をそそいでいた
その姿を見ると
村上は自分には何か出来ないかと思い
村上「俺、マルを探してくるな
マルなら何か分かるかもやから」
そう言うと
大倉の部屋から出ようと
扉に手をかけた時に
丁度、扉が開くと
横山と丸山が入って来たのだ
驚いた顔の村上に
横山は少し微笑んだが
周りの様子の変化を感じ
大倉の傍のベッドに眠っている
雪を見て驚いた顔をした
横山「何があったんや?」
その言葉に大倉が
村上の方に悲しい目線を送る
それを村上は感じ
ゆっくりと口を開いて説明し始めた
村上「なんか、俺らの所に
分からん奴がやって来たんや
俺らが部屋で隠れてたら
見つかってもうたと思ったら
突然、雪が苦しみだして
やっとそいつか消えたら
雪も気を失ってしもうたんや」
村上の言葉を聞いていた丸山は青い顔をした