第8章 命 【横山・丸山】
横山が見ると
丸山は額に汗を浮かばせて
掴んでいる手は
微かに震えていた
今は人と変わらない横山には
分からなかったのだ
相手の怖さが.....
丸山は
相手を知って恐怖していたのだ
横山「....マル」
横山はその様子で
やっと敵の強さを知った
丸山「今は
何とかやり過ごそう....」
マルの震えている声に
横山は頷くしかなかった
今の自分は足手まといなのだ
それが
負けず嫌いの横山には
悔しかった
その瞬間だった
横山の部屋の扉が不気味に
ゆっくりと開いた
二人は驚き青ざめた
丸山は素早く動き
相手が入ってこないように
取っ手を強く握りしめて
扉を閉めた
丸山は必死だった
横山もその様子を見ると
一緒に取っ手を握って
加勢した
敵は開かないと知ると
今度はドアを叩き始めた
不気味なその音を聞きながら
丸山、横山は額に汗を滲ませ
息を飲みながら
恐怖に耐えながら
取っ手を握りしめ続けたのだ