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Dye D? 3

第8章 命 【横山・丸山】




 横山は、自分の部屋の

無造作に散らばっている本が

広がっているベッドに横になっていた




そして

静かに自分の掌を見つめ

自分の力が少しずつ消えているのを

感じていた




横山「3日か....」



そう呟くと

掌を強く握った




今からの3日間は

完全に吸血鬼の力は使えず

ほとんど普通の人間と変わらない

この危ない時間を

今まで横山は一人で

何度も乗り越えてきた




だから

今回も無事に乗り越えられると

思っていたのだ




その時

自分の部屋にノックの音と同時に

扉が開き丸山が覗いた



丸山「ちょっと、いいかなぁ?」



ベッドの上から横山は静かに見つめた

返事のない横山の元へ

丸山は足元にも散らばっている

本を上手に避けて歩いて行った



そして

横山の横に静かに腰を下ろした



横山「どなんしたんや?」



横山の問いかけに

静かに笑うと



丸山「身体の調子はどうかなって?」



その言葉に横山は身体を起こしながら



横山「3日だけの辛抱や」



そう苦笑いした



丸山「神の血が

やはり僕たちの力を消すのかな....」



その言葉に横山は冷たく言った



横山「それは、どうかな?

これは拒否反応かもやで」



丸山「拒否反応?」



丸山は笑いながら言った

すると横山は丸山を見つめ



横山「そんな事を言う為に来たんと

ちゃうんやろ?」


力はなくても人を見抜く力は

衰えてはいないかった

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