第1章 ホテル
男は音をたてずに
フロント奥の小さい部屋に入って行くと
同じ服を着た男が6人待ち構えていた
村上「今回は初めてのパターンやな」
村上は横山を見て小さく笑った
大倉「これは僕たちのルール違反になるよ」
大倉は静かに呟くように言う
渋谷「二人なら、逃してしまうリスクは
大きくなるしな」
渋谷は奥の自分専用の
ソファーに寝っ転がりながら言った
安田「えっ、どういう事?」
安田は焦ったように
キョロキョロとしながら
皆を見ていた
丸山「一人なら確実に
仕留められるけど
二人なら逃げられちゃうかもってこと」
丸山は優しく安田に教える
錦戸「二人ともエサにしたらええだけやん」
錦戸はニヤニヤしながら言った
皆の意見が出揃ったのを確認すると
村上は横山に近づいて
村上「さて、横の判断は?」
仲間の注目を浴びながら
横山は口の端を上げながら
横山「この世に偶然はあらへん」
その言葉に大倉と丸山は驚いた顔をした
大倉「横山君、それは....」
すると
横山は自分の口に人差し指を立てると
横山「しーっ
まだ言葉にする時やない....」
その言葉に丸山は小さく頷いた
するとそれを聞いた渋谷は
うんざりするように
渋谷「また、横の秘密主義が始まったな」
そう小さく笑ったのだ
そんな
仲間の様子を知りながらも
横山は命令を始めた
横山「ヤス、もう一室の用意急げるか?」
安田は驚いた顔をしたが
安田「えっ、わかった」
その命令で
そっと部屋から出て行った
丸山「あの二人を
受け入れるんだね....」
丸山の言葉に横山は小さく笑うと
横山「来た者を帰す理由が
見当たらんからな」
そう告げるなり
部屋から出ていいたのだった
取り残された者は
冷たい微笑みを浮かべながら
各々が動き始めた
この特別のお客を接待するために