第70章 果たす
横山は死神との約束を果たす為に
一人でロビー奥の隠し部屋に入って行くと
鏡の前に黒いビロードの者が
静かに鏡を見ながら立っていたのだ
そして横山が入って来た事を知ると
ゆっくりと横山の方に向いたのだ
横山は相手の姿を見据えながら
静かに声をかけた
横山「ほんま
相変わらず情報が早いな・・・」
そう皮肉を言うと
黒のビロードの者は不気味な
笑い声を聞かせるように
『こっちとそっちは
結局は同じだしな・・・
嫌でも分かってしまうんだよ・・・』
その言葉を聞いて
横山はため息をつきながら
横山「まだ、俺の知らない
謎があるみたいやな」
その言葉に黒のビロードの者は
静かに頭のフードを取って
骸骨の姿を見せた
そして笑いながら言ったのだ
『おもしろい吸血鬼よ
お前が過ごすには丁度いいだろ?』
そう皮肉を込めて伝えると
その言葉に横山は頭をかきながら
横山「死ねん身体なら丁度ええかもな・・・」
横山は考えていた
この屋敷と仲間の事を・・・
誰も涙を流さない日が
来る事はないのかと
そしてこの呪われて身体から
解放される時はくるのだろうかと
横山は静かに俯きながら
横山「お前の言った通り
鎌を折ってやったよ・・・」
そう言うと手に入れた
鎌を死神の前に静かに放り投げた
足元に放り投げられた鎌を見て
死神は嬉しそうに笑った
『お前なら必ず・・・
やってくれると思ったよ・・・』
そんな死神を見ながら
横山が悔しそうに言ったのだ
横山「まぁ・・・
本人には逃げれたがな・・・」
横山の悔しそうな顔に
死神は高らかに笑ってみせた