第70章 果たす
死神は足元の鎌を見ながら
『俺にはこの鎌で
誰が裏切者かわった・・・
そいつは追放する・・・』
そう冷たく言い放ったのだ
そんな死神を横山は見ると
横山「まぁ約束を
果たせたって事やな・・・」
そう言うと少し笑って見せたのだ
『アイツはもう
死神でもない・・・』
その言葉に横山は驚いた表情をした
『死神を裏切った末路だ・・・
ただの裏切者の闇の生物だ・・・』
その言葉が横山の胸に寂しく響いたのだ
横山の表情が暗く変わったのを
知りながら死神は訊ねた
『お前は
この屋敷の事実を知ってるのか?』
その言葉を聞いて
横山は静かに俯いた
そして擦れる声で言ったのだ
横山「死の処理場・・・・」
死神は目の奥を光らせた
そんな死神を少し睨みながら
強気な口調で言ったのだ
横山「じゃなきゃ
俺らみたいな吸血鬼が
いつまでも居れるわけがないからな」
その言葉に死神は笑った
『面白き吸血鬼よ
生と死は隣合わせだ
だから、お前たちがこの屋敷にいる・・・』
そう言うと
足元の折れた鎌を静かに拾い上げ
自分の手にすると
黙って見つめていた
そんな死神の姿を見ながら
横山「俺たちが生と死?」
その謎かけに横山は悩む顔をした
死神は鎌を見つめながら
『アイツは
必ずお前たちの命を奪いにくるぞ
自分のプライドを折られたからな
死神の名誉にかけてな・・・』
その言葉を聞いて
横山は妖艶の微笑みを見せながら
横山「その度に
返り討ちにしてやるよ」
横山の強気を知り死神は笑った
『面白き吸血鬼よ・・・
これからも
楽しませてもらうよ』
そう告げると
静かに鏡の中に消えて行ったのだ
誰も居なくなった部屋で
横山は鏡の前でため息をついた
そして決意をするように
横山「何が起きても
乗り越えてやるわ・・・」
そう鏡に向かって告げると
そして静かに
隣の部屋に霧となって消えたのだった