第69章 眠る
渋谷がミヨのいる部屋に入った時
鼻を衝く臭いを感じた
渋谷にはミヨがもう助からないと知った
いや、初めて会った時から
知っていたのかもしれない
でも渋谷は道を変えたかった
自分のきまぐれかも知れなかったが
ミヨの運命を変えたかったのだ
しかし、道は変わっても
結末が同じな事を渋谷は知った
渋谷は重い気持ちでミヨを探すと
ミヨはこの部屋にも飾られている
マリア様の絵の前で
静かに祈り続けていた
渋谷はその姿を見ると
胸の痛みを抑えるように静かに声をかけた
渋谷「何を祈ってるんや?」
渋谷の声を聞いて
ミヨは静かに祈りを止めると
渋谷に顔を向けた
ミヨ「祈りではなく
懺悔です・・・」
そう悲しそうに言ったのだ
いくらミナを助けたいからと言って
自分のした恐ろしい事を
懺悔していたのだ
そんなミヨの気持ちも
渋谷は悟っていた
渋谷「さよか・・・」
渋谷は悲しそうに自分を見つめてくる
女を静かに静かに受け入れていた
ミヨは渋谷に見られている事が
恥ずかしいように
少し俯きながら
ミヨ「私が願った事は
罪だったんですね・・・」
その言葉に渋谷は頭をかきながら
ミヨに言ったのだ
渋谷「やからお前はずっと
自分を殺して生きてたんやろ?」
その言葉を聞いてミヨは
身体をビックとさせたが
渋谷は言葉を続けた
渋谷「お前はアイツが満足するように
必死で支えてたんやろ?
今日のこの日が来ることを
最初から知ってたから・・・」
渋谷は、ミヨの事を気持ちを
察していたのだ