• テキストサイズ

Dye D? 3

第7章 命 【錦戸・ミナ】




 ミナは感情を顕わに

一人部屋へ向かって歩いていた



ミヨの自分を頼るだけの

甘えにはうんざりだった



なぜ

あんなに自分を求めるのか



同じ顔

同じ声

目の前の自分が情けない顔をしている事が

我慢できなかったのだ





怒りのまま部屋に戻るのも嫌だったが.

でもこのホテルには

ミナの行く場所はどこにもなかった


そんな時に

廊下に響き渡るピアノの音が聴こえたのだ


ミナの足は自然に音の場所を

探すように進みだした



聞こえてきている場所は

娯楽室だった


本来、お客様をもてなすために

村上がピアノ演奏を披露する場所でもあった



その部屋をそっと開け

静かに覗いた



その広い部屋の

中央に立派なグランドピアノが

置かれており

背中しか見えないが

一人の従業員が演奏していたのだ




ミナは入口から少しづつ

音に引かれるように

ピアノに近づいて行った



すると演奏している者は

人の気配を感じた途端

演奏を止めた


そして入って来た者に

振り向いて声をかけた


錦戸「なんや?」


錦戸は冷たい目でミナを見た

ミナは錦戸の顔を見て驚いた




このホテルで

一番会いたくない人だったから



ミナ「別に....」


ミナはぶっきら棒に答えると


指をまた鍵盤に戻すと


錦戸「さよか....」


冷たく言い放ち

錦戸は無視するように

一人楽しむように演奏の続きを始めた



/ 291ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp