第65章 希望
二人を見ていた錦戸が反応した
錦戸「危険が付いてもなん?」
その言葉に横山は冷たく言い放った
横山「吸血鬼が
危険を怖がってどないするんや?」
そう言なり
静かに立ち上がり足を扉の方に進めたのだ
その姿を見た渋谷が
横山の背中に声をかけた
渋谷「行くんか?
その何とかの箱に・・」
横山はドアに手をかけながら
横山「赤ん坊を助ける可能性があるなら
俺は希望の方にかけるよ・・・」
そう言うと
扉を開けると出て行ってしまった
残された渋谷はため息を付くと
渋谷「さて、俺らも行くか?」
そう言って錦戸に声をかけながら立ち上がると
錦戸は不貞腐れながら言った
錦戸「俺、飛び込んでたら良かったんか?」
その錦戸を見て
渋谷は少しだけ笑いながら言ったのだ
渋谷「お前の判断は正しかったと思うで
やから希望に繋がったやろ?
そう、アイツは言いたかったと思うで」
その言葉を聞いて
錦戸は照れた顔を少し渋谷に見せた
渋谷「アイツは不器用やから
面と向かって言われんねん
やから長ったらし話で誤魔化すやろな」
そう言うと扉の方に歩き出した
錦戸は渋谷の言葉を聞いて考えていた
自分の行動が本当に希望に繋がればいいと
あの時に飛び込まなくって良かったと
動かない錦戸を見て渋谷は
渋谷「さて、早く追いかけんと
何が起こるか分からんで・・」
その言葉を残して部屋を出たのだ
錦戸も急いで立ち上がると
少し照れ臭そうに
でも嬉しそうに微笑みながら
後を追うように部屋を出て行ったのだった