第65章 希望
横山は静かに二人を見つめていた
錦戸「その、何とかの箱ってなんや?」
錦戸は横山に尋ねると
横山「ある話やで・・・」
横山の曖昧な答えに
渋谷は興味を持った様子で言った
渋谷「どんな話か聞かせてくれや」
すると横山は
ゆっくりとした口調で語りだした
横山「パンドラという娘が
神にある箱を持たされたんや
決して開けてはならないと・・・」
聞いている二人は静かに頷いて
話を聞き続けた
横山「しかし、パンドラは中が気になり
少しだけならって
開けてしまったんや」
その話に錦戸は興味を持って言った
錦戸「ほんなら?」
横山「その箱には
この世界のありとあらゆる
災いが入ってたんや」
その話の結末に渋谷がため息をついた
渋谷「なるほどな・・・
やから、この世に災いがあるって事か・・・」
その言葉を聞いて錦戸も
錦戸「なんか、暗い話やな」
少し落ち込んだ男二人の顔を見ながら
横山は静かに言葉を続けたのだ
横山「しかし、パンドラはその箱の奥に
小さく光るモノが
残ってるのを見付けたんやて」
その言葉を聞いて
二人の顔が横山に向く
横山「希望という光をな・・・」
横山の話を聞いて
渋谷は突然
笑いながら言った
渋谷「話としてはおもろいな・・・」
渋谷の言葉を聞いて
横山は嬉しそうに言ったのだ
横山「やろ?
その井戸は災いかもやけど
小さくても希望もあるかもな」
その言葉に渋谷は頷いたのだ