第65章 希望
横山と渋谷の二人は無言で
ロビー奥の部屋で過ごしていた
渋谷は自分の言葉が
ミヨを暴走させたのではと思うと
その事が胸に引っかかって取れなかったのだ
横山の方は
死神の鎌を折る方法を
一人で考え続けていたのだった
部屋の中は静まりかえっていた
そんな静寂な中を
錦戸が勢いよく扉を開け入って来たのだ
そして黙りこくっている二人を見ると
驚いた顔をして笑ったのだ
錦戸「二人して、どないしたん?」
錦戸の質問に渋谷は真顔で答えた
渋谷「それは、こっちのセリフや
お前こそ急いで何があったんや」
その言葉に
錦戸はこの部屋にやって来た
目的を思い出し
錦戸「そや、俺さ・・・
見てもうたんや」
そう言うと急いで
横山の前のソファーに座ったのだ
横山は錦戸を冷静に見ながら言った
横山「何を見たんや?」
錦戸は少し興奮した様子で
二人に話し始めたのだった
錦戸「俺な、屋根で過ごしてたんや
そしたら庭に偽の雪が現れたんや」
その言葉に横山の視線が強くなる
その様子に錦戸の興奮も強くなっていった
錦戸「何をするんやろって思ってたら
ある所に向かって行きよったんや」
その言葉を聞くと
渋谷の方も興味を持ったように
微笑みながら
渋谷「お前、ナイスなモノを見んやな」
渋谷は錦戸を褒めた