第61章 方法
部屋に戻ると
その部屋で過ごしていた渋谷が
突然、現れた横山に驚いたのだ
渋谷「お前、そっちに居ったんか?」
その渋谷に苦笑いを見せながら
横山「まぁ、やぼようでな・・・」
そう言うと
渋谷の前を通り過ぎて
ため息をつきながら
ソファーに腰を掛けたのだ
その姿を見ると
渋谷が笑いながら
渋谷「かなりのお疲れやな・・・」
その言葉を聞くと
横山はソファーの背中に身体をあずけ
横山「全く・・・
難題ばっかりやからな・・・」
そう言うと静かに目を閉じたのだ
その姿を見て渋谷は思った
この男の抱えている大きさを
考えれば自分の今の生活は楽だと
渋谷は独り事のように言葉をだした
心に抱えている悩みを
渋谷「未来が見えるって
辛いよな・・・・」
その言葉に横山は目を開き
冷たい表情で渋谷を見る
渋谷「何をしても
結果は変わらんよな・・・」
謎めいた事を
言うとため息をついた
それを聞いた横山は
落ち込んだ様子の渋谷を見ながら言った
横山「まぁ、結果は変わらんが
それまでの道筋は変えられるやろ?」
すると渋谷は少し笑いながら
渋谷「道筋ね・・・・」
すると更に横山は続けた
横山「道筋が変わったら
結果も変わるかもやで
色んな意味でな・・・」
その言葉に渋谷は横山を強く見つめた
すると横山は表情を変えることなく
淡々と言ったのだ
横山「お前が何をしようとしてるか
俺は知らんが
どんな相手でも敵に勝つ」
その言葉に渋谷は笑いだした
渋谷「お前はホンマに
いつも変わらんな・・・」
自分を笑っている渋谷に
横山は少しイラッとした表情を見せながら
横山「何がや?」
その言葉と同時に横山が睨むと
渋谷は苦笑いしながら俯いた
男二人はそれから黙った
お互いにこれからの戦いを考えていたのだ
どう動くことが仲間の為に
未来の為になるのかを
それぞれの心が動き始めていたのだった