第60章 真相
すると偽の雪は更に告げた
『あの時もそうだった・・・
お前はその瞳と涙で
俺の心を動かしたのだ・・・』
それだけを伝えると
偽の雪は霧となりミヨの前から
消えたのだ
ミヨは一人でいる部屋で涙を流し続けた
マリア様の絵を見て
抱かれている子供を見て
自分が願ったから
誰もが悲しみに染まっている事を知って
涙を流さずにいれなかったのだ
どれぐらい泣いただろか
ミヨは涙を拭くと
ゆっくりと立ちあがった
すると胸に強い痛みが走ったのだ
しかし胸を押さえてミヨは
よろめきながら歩き出した
歩けば歩くと痛みが走る
自分の命のカウントをされているように
ミヨは自分の部屋の扉を開けると
荒い息で足を必死で動かし
隣の部屋へ向かったのだ
ミナの部屋の扉を開けた瞬間に
ミヨは異様な光景と
ミナの声を聞いた
ミナは動かない足を
必死で叩き続けていたのだった
ミナ「なんで、なんでなの?」
ミヨの胸の痛みに合わせるように
ミナは足を叩き続けていたのだ
そして部屋に入って来たミヨを見ると
悲しそうに言ったのだ
ミナ「足が全く動かないの・・・」
その言葉にミヨの心は更に辛くなった
そんなミヨの気持ちを
知らないミナは涙を流して言った
ミナ「まだ、死にたくない・・・
まだ、死にたくない・・・」
ミヨは震える身体を動かして
ミナのベッドにやってくると
ミナを強く抱きしめた
ミヨを感じると
ミナも同じように抱き着いたのだ
そしてミヨはミナに囁くように言ったのだ
ミヨ「大丈夫だよ・・・・
何も心配しなくっていいからね・・・」
そう囁くと
哀しみに震えているミナを
抱きしめ続けたのだった
二人は
いつまでも抱きしめ合っていたのだった