第60章 真相
頭の片隅に消された記憶が
戻ってくるような感覚が
ミヨを襲っていたのだ
『アイツに分け与えていた
お前の命も限界がきている・・・
願いを叶えたければ・・・』
ミヨはその言葉を聞きたくなく
耳を抑えたい気持ちを必死で抑えていた
しかし、偽の雪はかまわずに
ミヨの心を苦しめていった
『願いを叶えたければ・・・・』
呪文のように繰り返し言ってくる
偽の雪をミヨは見つめた
ミヨ「叶えたければ?」
ミヨが自分の言葉を口にした途端に
偽の雪は待っていたかというように
不気味な微笑みを見せ
『お前たちの絵のマリアが抱いている
子供を突き刺せ・・・』
その言葉にミヨは衝撃を受けた
しかし、偽の雪はかまわずに続けた
『生命力の強い吸血鬼の子供を
そこに入れてある・・・』
その瞬間にミヨは悟ったのだ
それが大倉と雪の子供だと
自分たちがどれだけ
惨いことをしようとしているかを
ミヨ「それって・・・・」
ミヨは震える声で言うと
偽の雪は冷たい表情のままで
『これは契約だ・・・・
お前たちの命は誰かの犠牲の上だ・・・』
その言葉はミヨには重かった
ミヨ「私たちは誰かを犠牲にして・・・」
ミヨはその真実にショックで
膝から倒れ落ちた
そんなミヨを見ながら
『早くしないと
お前の心臓はもたない・・・
アイツの欲が増えれば増えるほど
お前の命を奪っているからな・・・』
ミヨは偽の雪を
涙を流しながら見つめた