第60章 真相
ミヨは渋谷が出て行った後に
ゆっくりとベッドから出ると
部屋の中を歩き
マリア様の絵の元にやって来た
そして
しばらくの間
悲しそうな表情で絵を見た
絵のマリア様は
優しい瞳でミヨを見つめてくれた
そして抱かれている子供は嬉しそうに
微笑んでいた
ミヨ「私の願いは罪なのでしょうか?」
そうマリア様に懺悔するように言ったのだ
しかし、絵のマリア様は何も言うわけでもなく
自分の心が救われるわけもなく
ミヨは疲れたようにため息をつくと
疲れた身体をソファーで
休めようとした時だった
振り向いたミヨは凍り付いた表情になった
ソファーの前に
黒い瞳の雪が無言で立っていたのだ
ミヨは一目で
雪でないとわかった
偽の雪は冷たい真っ黒の瞳で
ミヨを見つめ続けていた
ミヨはピクリとも動けずに
偽の雪を見ていた
すると偽の雪は
不気味に口の端を上げると
『もう一人の方は・・・
もう動けなくなっている・・・
時間はない・・・』
その言葉を聞くとミヨは驚いた
ミヨ「えっ、ミナが!」
ミヨの表情に合わせるかのように
目の前の偽の雪は
冷たい声で言葉を続けた
『あの時にお前が願った・・・
だから・・・・
我は力を貸した・・・』
その言葉にミヨの顔は青ざめていく