第59章 怒り
すると錦戸も
錦戸「まぁ、プライドで腹が
ふれたら楽やねんけどなぁ」
そう言いながら
渋谷に続いて歩きだした
そんな錦戸を見て笑いながら
安田が後を追っかけるように
安田「えーっ、もう亮ちゃんは腹減ったん?」
そんな二人を見て
村上は微笑みながら
村上「まぁ
俺らに出来る事をするだけやけどな」
そう言うと
歩いている仲間の方に足を進めた
残された丸山は大倉に言ったのだ
丸山「助ける方法は
必ず見つかるよ
希望は捨てないでいよう・・・」
丸山はそう言うと優しく背中を撫でた
その言葉に弱々しく大倉は頷くと
苦しそうに言った
大倉「なんで、いつも雪なんだろ?」
その言葉に丸山は一瞬
手の動きが止まってしまった
大倉「いつも・・・
雪が事件の中心にいるように
思ってしまって・・・」
辛そうに言う大倉に
丸山は何と声をかけようか
迷ってしまった
大倉は悲しそうに丸山を見つめ
大倉「闇の者は幸せにはなれないと
いう事なのだろうか?」
大倉の苦悩の言葉に
丸山は首を振って答えた
丸山「それは違う・・・」
丸山の返事に大倉はまた頭を抱え
俯いてしまった
丸山は手を強く握りしめた
感情のまま握りしめたので
爪が皮膚に刺さり血が滲んできていた
丸山には大倉の心の悲痛が届いていた
届けば届くほどに
敵を憎む自分と
戦わなければならなかったのだ