第58章 遭遇
雪はしばらく笑い続けると
静かに顔を上げた
その姿を大倉は見て驚いた
雪の瞳が真っ黒に染まっていたのだ
『感覚の鋭い奴がおったなんてな・・・』
その言葉に錦戸は負けん気を見せた
錦戸「お前の計算違いで残念やな?」
その言葉に雪の偽物は笑った
『計算違い?
まさか想定内だがな・・・』
そう言うと冷たい黒い瞳で大倉を見た
大倉の瞳が怒りで深紅になっているのを
確認すると嬉しそうに
『一人ずつ、潰したかったがな・・・』
その言葉に大倉の怒りが激しくなる
大倉『俺らが潰されるわけがない!』
目の前の偽の雪は大倉の言葉に
無視するように二人に冷たく言った
『お前たちには悪いが子供は頂く・・・
あの子たちは特別だしな・・・』
その言葉に錦戸の怒りも激しくなる
錦戸「なっ!!!!!!!!!!」
錦戸は怒りに任せて
敵に襲い掛かろうとした時だった
大倉「勝手に言ってろ
絶対に子供は取り返す」
深紅の瞳の大倉が低い声で言うと
雪の偽物が嫌らしい笑い声を響かせて
『強気はいいが・・・
子供はこちらの手の中だが・・・・』
そう言い相手の神経を逆なでするように
笑い続けたのだ
二人の顔に悔しさがにじんだ時だった
横山「もう居場所の検討はついとる
余裕もそこまでやで」
声の方に目線をやると
偽の雪の後ろに横山が立っていたのだ
『くっ !!!!!!!!』
偽の雪は自分の後ろを振り向かずに
悔しがっていた
渋谷「そんだけ、悪臭をだしてたら
わかるってな」
そう言って渋谷は横山の後ろから姿を現した
その言葉を聞いて
偽の雪は口の端を少し上げると
『人数がいれば勝てると思っているのか?』
そう言うと手に
自分の背中に手を回すと
どこからか大鎌を取り出したのだ