第56章 真実
村上がロービー奥の部屋に戻って来ると
横山一人が部屋にいたのだ
ソファーに座り目を閉じたままで
存在すら消していた様な姿に
扉を開けた村上は驚いた
横山は村上が入って来た事を知ると
静かに目を開け
村上をゆっくりと見つめた
その様子に村上は更に驚いた
いつもと違う様子に村上は
少し心配しながら声をかけたのだ
村上「・・・一人なんか?」
その言葉に横山は微笑むと
横山「おん、お前は?」
その言葉に
村上は覚悟を決めるたように
横山の前まで足を進めると
静かに前のソファーに腰をかけ
横山に話し始めた
村上「実は・・・
俺なりに今回の事を調べてたんや・・・・」
村上の話を聞くと
横山は嬉しそうな顔になり
村上の方に身体を乗り出しながら
横山「ほぉ~っ」
興味のある様子を見ると
村上はゆっくりと語りだした
村上「なぁ・・・
俺な気が付いたんやけど
いくら敵が強いからって
俺らが逃げにやり過ごそうとしたんは
おかしいと思うねん」
その言葉に横山は考え込む
様子になった
横山「なるほどな・・・・」
横山の姿を見ながら
村上は話を続けたのだ
村上「で、俺な
あるモノを見付けたんや・・・」
その言葉は横山の興味を更に誘った
その表情を見ながら
村上は真剣に語りだしたのだ
村上「敵に襲われた時に
ある者がつけたシミが床にあったんや」
横山の瞳が輝いた
村上の話は続いた
村上「そのシミの場所に居ったんは・・・」
横山「居ったんは?」
横山に目線も鋭くなる
村上は小さくため息をつくと
村上「雪やった・・・・」
村上の言葉に
横山は驚く表情を見せずに
静かにソファーに深く座りなおした