第48章 喪失 12【失望】
その言葉に、皆が頷いた
錦戸「本気で怒ってたからな」
そう言って少し笑ったのだ
安田「とりあえず、集合がかかるまで
いつもの部屋で待機しとこうか?」
その安田の言葉に村上も
村上「それがええな」
錦戸と村上が部屋を出て行こうとすると
安田は大倉に優しく言ったのだ
安田「大倉は、雪に付いててや」
安田の笑顔に
大倉は戸惑いながら答えた
大倉「でも・・・」
すると扉の所にいた錦戸も言ったのだ
錦戸「こんな時に離れたらアカンやろ?」
そう言うと
他の者より一足先に部屋を出たのだ
その姿を見た村上も微笑みながら
村上「仲間の思いを受け取っとけって」
そう言って錦戸を追うように部屋から出たのだ
残された安田は大倉に微笑みながら言ったのだ
安田「赤ん坊は俺らが取り返すから
まかしといてや!」
そう言い残すと
静かに部屋から去って行ったのだ
部屋に残された大倉は
言葉すら話す事なくなった
雪の手を握りしめながら
大倉「俺はどうしたらいいんだろ?」
その言葉すら雪は反応すらせずに
ただ前を向いていたのだ
大倉は小さくため息をつき
大倉「守りたいと望むことが
そもそも間違いなのか・・・
俺たち闇の者は・・・」
そう悲しそうに呟き
哀しみを必死で耐えていたのだった