第47章 喪失 11【略奪】
それを横山は感じると
横山「もう、入っても大丈夫やで」
そう言うと大倉の肩を軽く叩いて
微笑んだのだ
それを合図に大倉は急いで奥に寝ている
雪の元に走って行ったのだ
すると村上は横山に聞いた
村上「なぁ、敵の血って・・・」
その言葉に横山は小さく微笑みながら言った
横山「おおかた
敵が襲いに来たんやろな」
その言葉を聞いた者は驚いた顔をしたが
すると渋谷が鼻を押さえながら
渋谷「狙いは雪か?」
すると横山は考えながら言った
横山「それは分からんな・・・
理由が見えん・・・」
ここに来た敵の狙いを考えていた
なぜ雪を襲いに来たんだろか
やはり赤ん坊の命か・・・・
雪はベッドの上で静かに起きていた
しかしピクリとも動かなかったのだ
呆然と前を見つめていたのだった
大倉「雪!!!!!!」
心配そうに走って来た大倉の声が耳に入ると
雪はゆっくりと振り向いた
その顔が真っ青だった
大倉は不安をかき消すように
力強く抱きしめた
大倉の温かさを感じると
雪は意識を取り戻したように
雪「大倉さん・・・」
抱きしめられた感触を
感じながら言葉をだす
雪が反応した事で
大倉は少し安心したように微笑んだ
大倉「無事でよかった・・・」
その言葉に雪は頷いたが
雪は震えながら
ある事を大倉に告げたのだ
悲しそうに瞳を潤ませて俯くと
聞こえるか聞こえないかの声で・・・・
雪「赤ちゃんがいないの・・・・」
その言葉に大倉の瞳が怪しく光る
そして雪の布団を取ると
雪のお腹にいるはずの
赤ん坊がいなかったのだ