第45章 帰還
すると横山は手をかざすと
錦戸を制止させたのだ
その様子を
安田は不思議な感じで見ていた
安田「この前のヤツとちゃう?」
その言葉に横山が静かに頷いたのだ
横山「話があるんやろ?」
その言葉に
目の前のゲストは頷いた
その様子を見ていた雪は呟いた
雪「あの子は・・・・
もう一人の子・・・」
聞いていた安田は驚いた
安田「なんで現れたんやろ・・・」
雪もゲストの不思議な行動に
驚きを隠せずにいた
横山の前の立っているゲストは
静かに口を開いた
『・・・・助けて欲しい・・・』
その言葉に横山は小さく笑った
横山「今更か?」
ゲストは頷いた
横山は冷たい目線を見せていた
『あの子はだた
生きたいだけ・・・
未来を見たいだけ・・・』
そう告げると
黒いフードをまた被ったのだ
その姿が錦戸の目には
切なく悲しく映ったのだ
彼女は静かに立ち去ろうとした
その彼女を見て横山は言った
横山「お前はそれでええんか?
後悔せんの?」
横山の言葉を聞いたゲストは
一瞬だけ足を止めたが
頭を少し下げ
『彼女の幸せは・・・
私の幸せだから・・・・』
そう言うと
吸血鬼たちの前から煙のように消えたのだ
そして廊下には何事もなかったように
静けさが戻った
錦戸「今のは・・・・」
驚いた顔で錦戸は言った
すると横山は冷たい言葉で
横山「俺たちを救いの神と
勘違いしたんとちゃうん?」
そう告げると歩き出したのだ
すると安田が
安田「なぁ、今のはさ
もう一人の方やろ?」
その言葉に横山は頷いた
横山「ほんまに考え方も
真逆やな・・・」
そう言って笑ったのだ