第5章 共鳴
するとそれを聞いていた
村上が少し笑いながら
村上「我儘に
亮の上がおったなんてな」
錦戸はその言葉で村上を睨んだ
すると二人の間から
安田「亮は我儘ちゃうでぇ
誰よりも自分に正直なんやて」
安田が清まして言った
渋谷「それって、どうちゃうねん?」
それを聞いていた渋谷が
不思議そうな顔をした
村上「同じやんなぁ....」
皆はクスクス笑った
横山「お前ら
今日はおしゃべりが過ぎるぞ」
その場に戻ってきた横山は
仲間を一喝すると
また静かに
客の二人を見つめ始めた
二人の食事が終わると
ミナは何も言わずに
先に食堂から去って行った
他の者も自分の持ち場の仕事に動き始めた
渋谷がテーブルの上を片づけ始めていたが
ミヨはまだ
一人席に座っていたのだ
不思議に思った渋谷は片づけの手を止め
ミヨに近づいて行くと優しく声をかけた
渋谷「どないしたんや?」
一瞬渋谷を見たが
ミヨはすぐに俯いた
そしていつまで経っても
そのまま俯いて動かなかった
渋谷は返事のしない
ミヨに困ったように頭をかいた
仕方なしに
片付けに戻ろうとした時だった
横山が二人に気が付き
近づいて来た
横山「お客様、どうされましたか?」
横山の静かな口調を聞くと
やっとミヨの顔が上がった
ミヨ「先ほどは姉が
本当にすいませんでした....」
そう言いながら頭を下げた
渋谷「それはアンタが謝る事ちゃうやろ?」
渋谷が言うと
ミヨはまた俯いたのだ
明らかに渋田を避けているように
感じ取れた
その姿に渋谷はため息をつくいた